訪問介護を検討するときに「これもしてくれるのでは」と期待してしまうことが意外と多いものです。ご利用者様やご家族が適切なサービスを選択するためには、訪問介護の制度上の範囲と、実務的にできない作業の区別を理解しておくことが大切です。この記事では、横浜で訪問介護をお探しの方や既にご利用を検討中の方に向けて、制度上対象外となる業務と、その理由をご説明します。

医療行為は訪問介護の対象外です

訪問介護で最も誤解されやすいのが医療行為との違いです。訪問介護職員は、医療的なケアは一切行えません。具体的には以下のような作業は対象外です。

  • インスリン注射の投与
  • 胃ろう・経管栄養の管理
  • 褥瘡(じょくそう)のガーゼ交換
  • カテーテルの着脱・管理
  • 膀胱留置カテーテルの洗浄
  • 喀痰吸引(かくたんきゅういん)
  • 血糖値測定

これらは看護職が行う医療行為に該当するため、訪問介護ではなく訪問看護の対象となります。ただし、軽微な日常生活支援(例えば薬をコップに出すことの補助など)は訪問介護でサポート可能な場合もあります。実際に必要な支援内容については、ケアマネジャーや訪問介護事業所に相談してご確認ください。

ご家族分の家事は制度上対象外

訪問介護は「ご利用者本人の日常生活を支援すること」を目的としています。そのため、以下のような作業は対象外です。

  • ご利用者以外のご家族の食事準備
  • ご利用者以外のご家族の衣類洗濯
  • ご家族が使う部屋の掃除
  • ご家族の買い物

ご利用者ご本人の食事準備や着替えのお手伝い、入浴の支援は訪問介護の対象ですが、その過程でご家族の洗濯物が混ざっていても、明らかにご家族分と分かる家事は行えません。特に複数世帯が同居している場合、この線引きが曖昧になりやすいため、契約前に訪問介護事業所と具体的な生活状況をお話しいただき、対応範囲を確認しておくことをお勧めします。

日常生活の範囲を超える修繕・整備作業

訪問介護は、ご利用者の日常生活をサポートする仕事です。住宅の修繕や大掛かりな整備は対象外です。

  • 家具の移動・配置変更
  • 壊れた階段の修理
  • 庭の草むしりや除草剤散布
  • 窓の外側清掃
  • エアコンフィルターの交換(ステップが必要な高所作業の場合)
  • 網戸の取り付け・外し

一方、日常的な清掃範囲(床掃除、トイレ清掃、浴室清掃)はご利用者の安全と衛生を守るためのサービスとして対象です。修繕が必要な場合は、ご家族様やシルバー人材センター、地域の工事業者にご相談ください。

ご近所トラブルへの対応・交渉

訪問介護職員は、ご利用者とご近所の方との関係を調整したり、トラブル対応の交渉役になったりすることはできません。

  • 騒音クレームへの交渉
  • ご近所からの苦情への対応窓口
  • 物損事故の示談交渉
  • 境界線のトラブル解決

ご利用者の日常生活支援の一環として「お話しを聞く」「気持ちに寄り添う」ことは訪問介護職員の大切な役割ですが、問題解決のための交渉には関わりません。トラブルが生じた場合は、ご家族様やケアマネジャー、お住まいの自治体の相談窓口にご相談ください。

横浜での訪問介護の対象範囲を確認する方法

横浜市内で訪問介護のご利用を検討されている方は、以下の流れで対応範囲をご確認いただけます。

  1. ケアマネジャーに、現在の生活課題と希望する支援内容をお伝えください
  2. ケアマネジャーが「訪問介護で対応可能」「訪問看護が必要」「介護保険外のサービスが必要」など、必要なサービス全体の組み合わせを提案します
  3. 訪問介護事業所(当ステーションなど)と直接相談し、具体的な時間設定や対応内容を決めていきます

ご不明な点は、ケアマネジャーや訪問介護ステーションNAEのお問い合わせ窓口でお気軽にご質問ください。横浜市磯子区を拠点としておりますが、横浜市内のご利用についてご相談いただけます。

ご利用の流れでは、申し込みから開始までの手続きを詳しくご説明しています。あわせてご参照ください。

介護保険制度外の選択肢もあります

訪問介護の制度上の対象外だったとしても、ご利用者やご家族のお困りごとが解決しないわけではありません。介護保険制度外の自費介護を組み合わせることで、柔軟にサービスを設計することも可能です。

自費介護では、制度の枠を超えた対応が可能となる場合があります。具体的にはケアマネジャーの方へのページで、制度の組み合わせについてもご説明しておりますので、ご参考ください。

まとめ

訪問介護でできないことを正確に理解することは、契約後のすれ違いを防ぎ、ご利用者が本当に必要なサービスを見つけるための第一歩です。医療行為、ご家族分の家事、日常生活を超える修繕、ご近所トラブルの交渉は、制度上訪問介護の対象外ですが、それらのニーズがあれば、別のサービスや支援方法が存在します。横浜で在宅介護を検討される際は、ケアマネジャーとともに、お困りごと全体を整理してから訪問介護事業所に相談されることをお勧めします。疑問なことがあれば、遠慮なくお問い合わせください。